ある医大生のぼやき

証券会社で勤務ののち、医学部に入学しました。

診療科目別の男女比率

気づいたら令和も2年になり、厚生労働省からも新しい統計が出ておりました。

平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html

前回が2016年版だったので2年分更新されました。これに基づいて、いろいろとデータを纏めてみようと思います。まずは、診察科目別の分析から見ていきます。

診察科目別の男女比

用いたデータベースは、「医療施設従事医師数、平均年齢,病院-診療所、年齢階級、性、主たる診療科別」になります。

この統計をベースに、詳細不詳などの項目を除いて診療科目別の男女比をまとめたのが下図になります。折返し地点まで掲載しています。

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女性では皮膚科、男性では気道食道外科が首位

 

全体では男性が78.1%、女性が21.9%。足元では女性が増加

まず総数、つまり医師全体の平均を見ると、男性が78.1%、女性が21.9%になります。一方で、「臨床研修医」の項目が女性の中で10番目(34.4%)に来ていることから、若い世代で女性比率が上昇していることがわかります。

男性は外科において比率が特に高い

医師は男性の占める割合が平均的に多いのですが、特に多い診察科目が外科系です。「外科」の項目を見ると、男性比率は93.8%に達します。なかなかに男性社会ですね、、、。「気道食道外科」に至っては97.5%とほとんど男性です(ただ総数が79人と少ないため参考値)。次点は「整形外科」。整形外科を標榜する医師の94.8%が男性です。

例外的に、乳腺外科・形成外科で女性比率が高い

すべての外科で男性に偏りがあるかというとそういう訳ではありませんでした。乳腺外科は皮膚科に次ぐ41.6%と高く、形成外科も32.0%と高水準です。

内科は外科ほどではないが、それでも男性が多い

外科が多いということは内科は男性が少ないのか、というとそういう訳ではないようです。「循環器内科」の男性比率が87.9%、「消化器内科」では84.2%と、平均の78.1%より多いことがわかります。ただ、一部の診療科目においては外科同様に女性比率が平均より高く、「糖尿病内科」、「腎臓内科」、「心療内科」、「神経内科、「血液内科」が該当します。

女性の比率は皮膚科で最も高い

女性の占める割合が最も多いのが「皮膚科」です。比率は48.5%に達します。二位の「乳腺外科」を7%近く離していることから、特に集中の度合いが高い科目と言えそうです。「乳腺外科」以降は「麻酔科」、「眼科」、「婦人科」と続きます。