ある医大生のぼやき

証券会社で勤務ののち、医学部に入学しました。

相対的に忙しい診療科はどこか②(休日出勤数)

診療科間で忙しさを比較するシリーズの第二弾では休日出勤に焦点を当てます。

前回は単純に勤務日数を比較しましたが、これはあくまでも平均値を用いた比較です。診療科によっては分散が大きく、一概には比べられないのも事実です。今回はより直感的に把握することを目的に、休日出勤している医師の比率を比較します。

前回同様、いつもの厚生労働省の統計を用います(リンクURLは下に記載)。この統計では12月1日から7日にかけて働いていた日数が得られます。そこで、5日を超えて働いている日数=休日出勤の日数として便宜的にカウントます。例えば、6日働いている場合、最低でも1日は休日出勤しているとみなし、休日出勤数を1日とします(平日に休んで土日に働いている場合は想定していません)。

診療科目ごとに上記の定義で休日出勤した医師の比率をまとめたのが下図になります。

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肛門外科が群を抜いている

研修医を抑えて肛門外科がトップ

まず全体像把握のために「総数」の項目をみると、少なくともおよそ18%の医師が12月1日から7日の週において休日出勤していたことが見て取れます。5人に1人が休日出勤をするというのは民間企業で働いていた自分からするととても高く感じます。やはり、総合的に見ると医師は忙しいですね。。。

個別の順位では、「肛門外科」が最も高い結果となりました。その比率は31.19%に達し、全体の三分の一近くが休日出勤をしていることになります。勤務日数でトップだった「臨床研修医」が2位となり、その比率は23.44%であることから、「肛門外科」の突出具合がわかります。「肛門外科」は分類的には「消化器外科」に入りそうですが、本統計では独立してカウントされています。「消化器外科」の休日出勤率が16.89%であり、全体平均よりも低いことからも、肛門外科の特異性が伺えます。

3位には22.43%で「内科」がランクイン。勤務日数では「外科」の4.91日に対して「内科」は4.69日と少なかったのですが、休日出勤の頻度という点では「外科」を上回りました。ただ、上位を眺めると、やはり外科系で休日出勤率が高いですね。

精神科の休日出勤率が最小

一方、休日出勤率が最小になったのは「精神科」でした。唯一の6%台で、次点の放射線とも差が開いています。

勤務日数では上位に入っていた気道食道外科臨床検査科が休日出勤率では下位にあることも見て取れます。呼吸器内科血液内科もそこまで明確ではありませんが同様の傾向です。

 

出典:平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html